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冬の雑感

いつまでもあけましておめでとうございます、でもないので、とりとめもない話で更新しておきます。

・野崎歓氏が翻訳に関するエッセイ集を出してますが、帯に「スタンダールからウェルベックまで・・」と書いてる。スタンダールは言わない方がいいんじゃないか、と思い中身を見たら、もちろんスタンダールの話はなし。

・NHKの4月以降の編成計画が発表されていて、ヴェルヌに絡むような要素は一切なし。マサカメTVや伝えて!ピカッチは継続という謎の編成方針だが、タイムスクープハンターは復活。杏、休みなしだ。

アンと言えば、連ドラのアンにはほぼ興味がわかない(仲間由紀恵くらいか)けど、BSプレミアムで連動してアニメ「赤毛のアン」を放送。高畑勲、宮崎駿がスタッフで名を連ねた最後の世界名作劇場だが、途中で宮崎がアンは嫌いだと叫びながら、カリオストロの城に走っていったという伝説があるそうな(一部盛ってます)。また見てみるかなあ。最初は確かにアンがひたすらうるさいんだけど、最後はマシューにかならず泣かされてしまう。

BSプレミアムでやっていた超常現象番組を総合でやるそうな。NHKもとうとうトンデモに手をつけるか。

BS1はワールドwaveトゥナイトを国際報道2014とかいうタイトルでリニューアル。何が違うんだ。キャスター替えないでね。

Music Japanは木曜23時台から日曜深夜に引っ越して時間は拡大。PerfumeがMCを続けるかは不明。

実は、一番注目はBSプレミアムで水曜23時台にやる植物男子ベランダーというやつ。いとうせいこうのボタニカルライフが原作。パイロット版が面白かったので、ちょっと期待。

三谷幸喜が三銃士に続いて、ホームズを思い切り脚色、というか改変して人形劇でやる、というのは発表済みなのだけど、3月に3話くらいやって、後は8月らしい。舞台を学園にして、少年ホームズが・・
金田一じゃん。ていうか、どこかでだれかやってないか。

うーん、とりとめもないというか、くだらないですね。日曜は新年会です。
みなさま、インフルエンザにご注意を。

2014年   ある会員の活動37

あらためまして、あけましておめでとうございます。

まさかのスパム投稿から始まった本年の当ブログですが、気を取り直していきましょう。

活動報告としましては、年末年始も読書会の校正、投稿の手直しが続いております。編集担当の方には頭が下がります。

今のスケジュールだと、どうしても年末年始になってしまう、ということで、今年は読書会を3月に繰り上げ、会誌の発行時期そのものを見直すという大きな試みがあります。

なので、もう今から読書会の準備。いよいよ後期、晩期の作品を取り上げる予定です。今のところ、既訳の文庫を読み返している段階。

私の好きなSF作家、スタニスワフ・レムは、代表作「ソラリス」を結末が分からないまま書き進めた、と述べる一方で、その後は、後になればなるほど、戦略的に書くようになった、と言っています。全体の見取り図を決めて、細部を詰める、というような意味でしょう。

作家というものは自然そうなるのかも知れませんが、ヴェルヌも後期になるほどそうした傾向が見えるように思います。逆に言うと、筆が走ってるような感じが全然ない(笑)。

よく、第一作にその作家の全てがあるなどという言い方をしますが、直感的に書いた中に、無意識のモチーフが原型的に出ている、ということなのではないでしょうか。(「ソラリス」は長編第五作ですが)

年末にTVで松任谷由実が、今のライバルは初期の自分だ、と言っていましたが、若い感性で書いたことを理性で反復するのはものすごく難しい。ベルクソンやデリダも、直感とは単純なものではないと言っております。

(もっとも、若くして亡くなった友への挽歌であったはずの「ひこうき雲」が、いつのまにやら飛行機乗り賛歌になってしまうのは、その曲の弱さではないか。最近の曲にはそうした弱さはないと思う)

続編・後期作品好きの私としては、レムの晩年の作品とか好きなのですが、世の中はやっぱり「ソラリス」が好きのようです。後期ヴェルヌ作品の魅力を発見していくのが、これからの課題であり、楽しみとも言えるでしょう。

ところで、藤原編集室の近刊予定表を見ていると、国書刊行会のレム・コレクション「変身病棟・挑発」が予定から消えてしまっている! どうしたのだ!
沼野充義はハルキなんぞにうつつを抜かしてないで、早く訳してくれ!

今年はなるべく本を買わない、むしろ整理する、という目標があるのですが、ヴェルヌの新刊、ナボコフ「アーダ」の新訳(たぶん若島正)、ピンチョン「重力の虹」新訳(佐藤良明)、蓮實重彦「ボヴァリー夫人論」が出たらこれは無条件に買うしかない。藤原編集室のラインナップを見ていると、マイリンク「ゴーレム」やウォー「ピンフォールドの試練」も出るらしい。どうしようか。

「ピンフォールドの試練」は集英社世界の文学から落としたものか。そうすると、ビュトール「段階」とか、ブロッホ「ウェルギリウスの死」とかもそろそろ・・無理か(笑)

ま、極力買わない方針で行きます。とほほ。

下の投稿

下(?)の、1月3日付の投稿。

誰も知らないもののようで、さわらない方がいいようです。

いずれ削除されると思いますが。

削除後は、この投稿は意味不明になりますね(笑)

プルースト、美術批評と横断線

会員の荒原邦博さん(インスクリプトより近刊の『蒸気で動く家』の共訳者です)の単著『プルースト、美術批評と横断線』が刊行されました。書店に並ぶのは年明けになります。拙著『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険』と同じ左右社の叢書「流動する人文学」の最新刊です。「人文学」といいつつ、文学、それもフランス文学研究に偏っている本叢書ですが、清岡秀哉さんの装丁がなんといっても売りであり、それぞれの著作の個性を表現しつつ、一貫した雰囲気を叢書にもたらしています。装丁のことばかり言ってしまいましたが(博論が元になった力作なのでまだ拾い読みしかできておりません)、ぱらぱら見るだけでも興味深いトピックが並び(『奇岩城』がさりげなく論じられていたりします)、冒頭にはなんと三十八ページにおよぶカラー口絵で『失われた時を求めて』関連の美術作品の写真が並び、壮観です。それだけにお値段は高めですが、拙著ともどもよろしくお願いいたします。

というわけで、今年もまもなく終わろうとしておりますが、本ブログをご覧の皆さまにはおかれましてはなにとぞよいお年を、そして来年も引き続きよろしくお願いいたします。

もうひとつの「月世界旅行」

オッフェンバックの「月世界旅行」といえば、以前私がヴェルヌ書店に推薦した「ホフマン物語」のなかの一部を抜粋した曲でした。

同じオッフェンバック(バレエ音楽)「パリの喜び」にも収録されているので、ちょっとびっくりしました。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%83%91%E3%83%AA%E3%81%AE%E5%96%9C%E3%81%B3-%E3%83%AD%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AB/dp/B002L9QGTM/ref=wl_it_dp_o_pC_S_nC?ie=UTF8&colid=3KNM545W3CXSC&coliid=I2ZWQ92R8NRZ77

彼の作品でもっとも有名な「天国と地獄」もこの作品の一部だったんだな、と初めて知りました。視聴してみると、この曲はバレエ音楽だけに軽快で気持ちよく聴けそうなので、いずれ、ヴェルヌ書店を経由して買う予定に入れています。

クラシック音楽って、有名な曲に隠れてほとんど演奏されない曲が多いので、誰かが「海底二万里」を作曲しているかもしれないなって、熱いロマンを抱いています。

組曲「惑星」で知られるホルストの作品に「日本組曲」なんて珍しいものがありますし。

(ちなみに画像の貼り付け方が分からないので、長いURLになってしまいました。)

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