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プルースト、美術批評と横断線

会員の荒原邦博さん(インスクリプトより近刊の『蒸気で動く家』の共訳者です)の単著『プルースト、美術批評と横断線』が刊行されました。書店に並ぶのは年明けになります。拙著『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険』と同じ左右社の叢書「流動する人文学」の最新刊です。「人文学」といいつつ、文学、それもフランス文学研究に偏っている本叢書ですが、清岡秀哉さんの装丁がなんといっても売りであり、それぞれの著作の個性を表現しつつ、一貫した雰囲気を叢書にもたらしています。装丁のことばかり言ってしまいましたが(博論が元になった力作なのでまだ拾い読みしかできておりません)、ぱらぱら見るだけでも興味深いトピックが並び(『奇岩城』がさりげなく論じられていたりします)、冒頭にはなんと三十八ページにおよぶカラー口絵で『失われた時を求めて』関連の美術作品の写真が並び、壮観です。それだけにお値段は高めですが、拙著ともどもよろしくお願いいたします。

というわけで、今年もまもなく終わろうとしておりますが、本ブログをご覧の皆さまにはおかれましてはなにとぞよいお年を、そして来年も引き続きよろしくお願いいたします。

ペロー

本会の顧問である私市保彦先生の共著が間もなく刊行されます。

http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1362-4.htm#jo

工藤庸子先生の近刊と併せて読むとさらに興趣が湧くかもしれません。

http://www.hatorishoten.co.jp/102_111.html

少年少女昭和SF美術館

会員の大橋博之さんの編著『少年少女昭和SF美術館』が平凡社より刊行されました。大判でカラー写真による装丁や挿絵がふんだんに入った、見るだけで楽しい本です。ヴェルヌに関するセクションもあります。コラリー号伝説や例の名言(「誰かによって想像されたことは別の誰かによって実現可能です」)が捏造である疑いが濃いことを書いてくださっているのは大いに歓迎なのですが、『気球に乗って五週間』がナダールの影響という伝説を依然として踏襲されているのは遺憾です。この辺については最近新事実も出てきて、だいぶ明らかになってきていることは会誌でも何度か触れているのですが……。ともあれ、ご購入はヴェルヌ書店(http://www.kurouchi.com/verne/)経由でよろしくお願いいたします。

ベストセラーの世界史

本会会員で、ヴェルヌの翻訳も手がけていただいている三枝大修さんの共訳書『ベストセラーの世界史』が太田出版より刊行されました。生前のヴェルヌに関する限り、「ベストセラー」と呼ぶに値するほど売れた本は『八十日間世界一周』くらいなので(同時代に遥かに売れている本はかなりあります)、本来こうした本に取り上げられる必然性は薄いにもかかわらず(死後および全世界での売れ行き、という話になれば別なのですが)、ヴェルヌに数ページが割かれています。フランスを中心としているので、「売れている」という印象があるヴェルヌを避けて通れなかったのでしょう。それ以外の小ネタ的な話も満載で興味深い読み物になっています。

青い花

今日は新島さん渾身の訳業(の、はず)レーモン・クノーコレクション『青い花』の発売日であった。

が、なぜかヴェルヌ書店(アマゾンね)では品切れ。間に合っていないのか、部数をけちっているのか?

明日本屋さんに行ってみるか・・・

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