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ベストセラーの世界史

本会会員で、ヴェルヌの翻訳も手がけていただいている三枝大修さんの共訳書『ベストセラーの世界史』が太田出版より刊行されました。生前のヴェルヌに関する限り、「ベストセラー」と呼ぶに値するほど売れた本は『八十日間世界一周』くらいなので(同時代に遥かに売れている本はかなりあります)、本来こうした本に取り上げられる必然性は薄いにもかかわらず(死後および全世界での売れ行き、という話になれば別なのですが)、ヴェルヌに数ページが割かれています。フランスを中心としているので、「売れている」という印象があるヴェルヌを避けて通れなかったのでしょう。それ以外の小ネタ的な話も満載で興味深い読み物になっています。