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新刊から

ワイズ出版映画文庫というシリーズから、「加藤泰映画華」というのが出ました。1995年の単行本を文庫化したものらしいですが、加藤泰監督の全作品を、監督自身のインタビューや関係者の証言で簡潔に紹介しています。
幕田さんが会誌7号で紹介した、「ミシェル・ストロゴフ」原案の「紅顔の密使」も紹介されていました。

結核で療養していたのが回復し、自分で脚本を書いて持ち込んだそうです。幕田さんご紹介のとおり、オープンセットでの壮大な戦闘シーンがあるそうですが、設営・撮影は困難を極め、病み上がりとは思えぬ監督ぶりに「加藤組はしんどい」という評判が定着したとのこと。

監督自身の証言で、元々「皇帝の密使」なんですというのが明記されていますが、その「皇帝の密使」が何なのか一切注釈がないので、ヴェルヌ研としては思わず舌打ちが出るところ。ま、その前に千葉省三についても何もないので・・・

しかし、今日本屋に行って仰天したのはそんなことではなく、「新潮」1月号に蓮實重彦「ボヴァリー夫人論」序章・第一章が掲載されている!

即買いしましたが、いやいや、自由投稿仕上げるまで読めないし。早く仕上げるしかないということか。