記事一覧

ウィリアム・ブッチャー氏の講演会 ある会員の活動21ー1

さて、5月20日はブッチャー氏の講演会であった。

忙しい、忙しいと言い訳をしつつ、しかし活動再開するのだ、と威勢よく言ったのはよかったのだが、これは生来の悪癖で、要するに計画性というものがない。

出発時間や会場の確認くらいはしていたのだが、当日の朝になって、全く「予習」というものをしていないことに思い当たった。

講演の内容は『地球の中心への旅』(『地底旅行』)の草稿研究について、というものであった。

何の予備知識もなく分かる内容とは思えない。

まず、しばらく『地球の中心への旅』を読んでいないので、細部を記憶していない。
岩波文庫版を出し、道すがら読んでいくことにする。

本来なら、会誌2号の特集で詳しく論じられているのだからそちらもちゃんと読んでいくべきなのだが、時間がない。

さて、ヴェルヌの草稿についてであるが、これも予習できる。行ってみてのお楽しみ、という方もいるだろうが、せっかく「ジュール・ヴェルヌ・ページ」ナント市立図書館にリンクを貼っているのだから、会員としては目を通しておいて当然、というべきなのだ。
ヴェルヌの字が案外読みやすいのも分かる。洋の東西を問わず、昔の人の方が字がきれいだったということか。しかし、ざっと見るくらいしかできない。

ちなみに、『地球の中心の旅』の草稿そのものは個人所蔵とのことで、ナント市立図書館のサイトには載っていない。

ついでに、ブッチャー氏のサイトもリンクがある。これもよく見ると、ずいぶん以前に『地球の中心の旅』についての論文が一本載っている。本日の講演内容の理解には役立つのではないか?

ああ、だが時間がない。あきらめて、支度をする。

ここで、重大なことに気づく。

そもそも、原書がない。
(うう、リンク貼り過ぎか? だんだんめんどくさくなってきた[笑])

なんとなく昔買ったつもりが、買ってなかった。『気球』もある、『地球から月へ』もある、だが『地球の中心』はない!

それじゃ、どこの箇所の話してんだか全然わからん、ということになるのでは???

ややパニックになりかかるが、頭を巡らす。
そうだ、まだ出発時間には早い。経路も飯田橋を経由する。
欧明社というフランス書籍の書店が飯田橋にあるから、立ち寄って行こう。『気球』も『グラント』もあそこで買ったのだ。なかったら、あきらめるしかない。

大急ぎで支度をして家を出る。電車に飛び乗り、一息つけて邦訳を読み始める。うん、話はやっぱり面白い。

ここで、またはたと気づく。

電子辞書忘れた。

うう、分かんなかったらその場で聞くしかないか。情けないなあ・・・

電車は飯田橋に着いた。時間的には余裕がある。

神楽坂方面で降りると、欧明社は案外近い。

だが。

私は呆然とした。

日曜は休業日であった。

(長くなるのでこの項続く)

活動再開?   ある会員の活動20

ゴールデンウィークが終わってもなんやかやといつまでも忙しい。
しかし、本業にかまけて会員活動を怠るわけにはいかない。

会誌は未着だが、SFセミナー、文学フリマでも好評だったようだ。5月20日の休みも確保したし、次号に向けて第一歩を踏み出すべき時期が来た。

とりあえず、というとなんだが、石橋さんの私家版『地球から月へ』『月を廻って』を読み返す。文学フリマで会誌と一緒に販売してたらしいが・・・

で、思いついて池井戸潤『下町ロケット』を読んでみた。
下町のおじさんたちがロケットを打上げる、「まいど1号」の拡張版みたいな話かと思ったら、全然違った。部品(バルブ)の特許をめぐって大企業と堂々渡り合う中小企業の話。

その根底に、主人公の社長(元ロケット開発研究者)のロケットへの情熱があって、社員たちも次第に感化され、という展開。

まあ、さすが直木賞受賞作でそこそこリーダブル。2時間半程度で読めたし、よろしければ皆さんも。文庫になってからでいいとは思うが。

しかし、ガンクラブの連中とはあまり関係なかった。それでも、世界初のプロジェクト小説、という視点で『地球から月へ』を読むことは、できなくはない。

この線でいくか? もう少し考えてみる。

システム開発という視点では、『NASAを築いた人と技術』(佐藤靖)といううってつけの本があったが、まだ読み始めていない。

まあ、こうして少しずつ始めていくのだ。

以下雑感。

・電車内の暇つぶしのためにジーン・ウルフ『新しい太陽の書』を読み始める(実はまだ読んだことがなかったのだ)。誰かがSFマガジンでプルーストと比較しようとしたらしいが、全く無茶だということがよくわかった。
うーん、史上最高のSFファンタジー? まあ、まだ第一巻なので。

・「ユリイカ」5月号は「テレビドラマの脚本家たち」という特殊な特集。
宇野なんとかとかが鼎談したりしているのだが、読んでて気がついたのは、このひとたち、若いのだ。
『家政婦のミタ』の脚本家、遊川和彦が始めて連続を手がけた『オヨビでない奴!』(植木等と所ジョージが主人公の祖父・父役で出てくるという学園コメディー)とか、リアルタイムでは観てないのだな。遊川和彦というと『女王の教室』あたりかららしい。私の感覚では相当最近の作品なのだが。
『踊る大捜査線』の君塚良一は、私の感覚だと明石家さんまのコメディーシリーズ『心はロンリー、気持ちは・・・』の作家だし。こっちが古すぎるのか。
編集後記をみると、編集者も1990年に小学校2年だったそうだ。こっちは就職しとるよ。

しかし、『カーネーション』の渡辺あや、『平清盛』の藤本有紀あたりの二次創作的、あるいはメタフィクショナルな手法を論じるなら、やはり市川森一には触れてほしかった。

ちなみに、『平清盛』に元モー娘。の高橋愛が出るのにネットで賛否出ているようだが、この人は藤本脚本の『Q.E.D』に主演している。成海璃子は『さくやこの花』の主演だし、藤木直人は『ギャルサー』主演だし、和久井映見は『ちりとてちん』に出ていた。
キャスティングを脚本家ゆかりの人ばかりで固めているのが、むしろ不安材料なのだけれども・・・

まあいいか。こんなことばっかり書いて、どこが忙しいのか(笑)。

ある会員の不活動  ある会員の活動19

総会に、かのウィリアム・ブッチャー氏が参加されたとのこと。大変おしいことをした。
どなたかレポートしていただけるとうれしいのだが・・・

また、会誌7号の特集について何か決まったのであればお教えいただければ、早めの準備もできるかと思う。

昨日は昨日で、春の遠足が催された由。こちらもレポートしていただければ。

ということで活動していない。

「ふらんす」が届いた。石橋さんの『八十日間世界一周』対訳のコーナー、4ページしかないけれど、冒頭の語りを熟読しながら、読者がヴェルヌの「仕掛け」に考えを巡らせるよう示唆されている。なにより石橋訳『八十日間』が読めるわけで、今後も楽しみ。

同じ日に何やらアマゾンからも届く。もはや何を頼んだかよく覚えていなかったのだが、『カーネーション DVDーBOX』第一巻 であった。

まだ完結していない連続ドラマのDVDを買ってしまうのも異例のことだが、この驚くべき作品については別である。最初から見直す時間を作らねば。
明日から最終週であり、どう終わるのかも注目で、最近の日々の楽しみと言えばそれしかないのであった。

しかし、再来週からはどうするか・・・本気で、毎日1話ずつ『カーネーション』を見直すか?(笑)
次の朝の連ドラも主演・堀北真希、主題歌SMAPと話題にはことかかないが、配役など見たところ、スタート前の個人予想では平均視聴率17%程度と見る。今のところ私は見る気になっていない。

てなわけでヴェルヌ度の薄い昨今である。

会費の払込み  ある会員の活動 18

結局、総会には参加できないことになった。まことに残念。

会報とともに出欠の葉書、会費払込用の郵便振替用紙が送られてきたので、欠席で回答する。

休みの日に郵便局へ行き、会費を払う。ついでに、会誌を2冊買うために6号と、次の7号の追加分を加算して払い込む。金額、あってたかしら。

葉書には恒例のアンケートがついていたので、例によってもっともくだらない回答を目指して記入し、これもポストに投函。

別にくだらない答えを目指す必要は何もないのだが、つい、ふざけてしまう。

ところで、せっかく石橋さんが連載するということで、「ふらんす」を半年間定期購読してみることにした。ネットで申し込むと、封書が来た。

中に入っていたのは郵便振替の用紙。

・・・会誌と同じであった。

最近では、クロード・シモン『農耕詩』や、『パウル・ツェラン詩文集』など重要な邦訳を次々出している白水社の「ふらんす」が・・・

まあ、郵便振替が悪い訳じゃないけれど。これも合わせて払い込む。

さらに、こんなホームページ があるのだった。

synaさんのジュール・ヴェルヌ・ページとともに、ヴェルヌ研究を志す者には必須の参照サイトになるだろう。

私も、今回の自由投稿で石橋さんの論文をまたさんざん参照させていただいた。ただ、その頃にはこのサイトのことを不覚にも知らず、CiNiiとか、東大の「ヨーロッパ研究」とかうろうろ検索してしまった。これからはそういうこともなくて大変ありがたい。

おしむらくは、『黒いインド』と『チャンセラー』の草稿分析を読むことのできる2論文にリンクがない(あるいは切れている?)

興味のある方は大学図書館か国会図書館でコピーすることができるから、時間のあるときに探してみる価値はあるのではないか。

以下近況雑感。

・上記『パウル・ツェラン』を買った直後に、青土社から全集が復刊された。もう金がもたん。

・偶然、片山敏彦という文学者(ロマン・ロランやツヴァイクの訳者で有名な方らしいが)のエッセイ集を読む。昔の人の文章は端正で教養豊か。いい読書になった。

・それにしてももう1年である。

著者校  ある会員の活動17

もう2月も後半である。

自由投稿の著者校が来ていたのだが、なんやかやで遅れてしまった。

そうこうしているうちに特集用原稿の著者校も届いた。

どうも最近集中力に欠けているなあ、と思いつつ、少しずつやってようやく編集長に発送した。

ところが、送った次の日にはもう見落とした部分の確認メールが来てしまった。

全く気づいていなかったところで、恐縮しつつ回答を返信する。

まだ途中までしか見てないとのことで、このていたらくではこれからどれだけ出てくるか分かったものではなく、戦々恐々としている。

編集長もこれでは安心できず、勢い慎重に読み直しを迫られる訳で、却って手間であろうから、申し訳ないことである。

総会も3月20日と決まったのだが、これも仕事の関係で出られない可能性が強くなってしまった。

(私の会社は完全な休業日が元旦しかない)

いささか、ヴェルヌとは関係ない要因が活動に支障を生じさせているのは否めないようだ。

まあ、会員活動は(内在的には)終わりはないのであるから、長い間にはそういう年も出てくる。短期のことで動揺することなく、着実にやっていきたい。

ところで最近のトピックについて少々コメント。

・私市先生訳の『二年間の休暇』入手。既訳との読み比べや、会誌3号の記事を参照して読むなど、会員ならではの読む楽しみを味わうのはこれから。wikipediaの件は今回初めて知って見てみたのだが、まあ何のことやら知らない人も多いだろうから、あれでいいのでは。

・石橋さんの『八十日間』の記事のコメントで、ハヤカワの『ルパン』シリーズ打ち止めというのは私もショック。せめて『813』、『虎の牙』の新訳が読みたかった。
『813』は文庫では新潮文庫の堀口大学訳しかなく(!)、『虎の牙』の創元推理文庫版は原著の改訂版を部分的にしか参照していない折衷版と聞いており、あと完訳はどちらも偕成社板しかない。偕成社版が悪いとは言わないが、やはり大人向けがほしい。それに、『虎の牙』は偕成社でも単行本全集版しかないのだ。

・『センター・オブ・ジ・アース』の続編、うーん、サイトを見る限り、主役がブレンダン・フレイザーじゃなくなっている時点で、前作とのつながりもほとんどない。「ヴェルニアン」云々の変な解釈は、少年の父親からさかのぼって祖父になったってことらしい。でも、まさか巨大生物から逃げまくってどうやって脱出するか、だけの話じゃないよね・・・いずれにせよ、総会にも出れないかも知れないのに見に行く暇はなし。

・エール『月世界旅行』も無事届いてるのだが、まだ封も切ってない。15分程度なんだから、飯を食いながらでも見ればいいのか・・申し訳ないがサウンドには興味なし。

ページ移動