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校正  ある会員の活動16

1月も終わりであるから、活動報告をしておかねばならない。

会誌6号の原稿は編集長のところに集まりつつあり、私のところにも校正依頼があった。

もちろん、刊行までは内容は言えないが、実に興味深い内容だった。

とある著名な文学者(作家)のヴェルヌとの関わり、特に今回の特集である『神秘の島』との関わりを論じているのだが、その文学者の高い芸術性の中にヴェルヌが息づいていることを如実に示し、感動すら覚える内容なのである。

ぜひご購読いただきたい。

私と言えば、その作家の作品は少々敷居が高いと思っていて、今までちゃんと読んだことがなかったのだが、そしてもちろん容易に読み込めるような簡単な作品ではないのだが、初めて色々と目を通してみたりしたのだった。

すると、校正原稿の内容がさらによく分かったりして、ますます楽しい。

そんなことをしていたら、校正を戻すのがちょっと遅くなってしまった。編集長すみませんでした。

他に、読書会の校正などもあり、先週のうちに提出した。いよいよ佳境であろうか。

ところで、一部報道があったかと思うが、NHKが4月から『ふしぎの海のナディア デジタルリマスター版』を放送するそうだ。

これは知っている人は少ないかも知れないが、NHKは次年度の予算と放送計画が承認されると、ほどなく放送番組の内容について説明文をPDFでホームページにアップする。「経営情報」というページなので誰も気づかないと思うのだが、平成24年度の放送番組と番組表がもう出ている。

もちろん、最近はNHKも3ヶ月を1クールとして番組の入れ替えを細かく行うので、年度の番組表と言っても事実上4月から7月までのものでしかない。個人的には「タイムスクープハンター」が火曜の夜10時50分からの枠で復活するのが嬉しい。しかし、30分枠であるから、前シリーズと比べると約半分の時短である。
2回で1話、前後編タイプの編成にするのか。
それに、この枠は鳴り物入りで始めた「夜ドラ」の枠である(今は優香の主演ドラマをやっている)。「夜ドラ」、もう終わりか。それとも、「タイムスクープハンター」を「夜ドラ」としてやるのか。扱いの気になるところだ。

ま、それはともかく、『ナディア』は教育テレビ(あ、今はEテレか)土曜午後5時55分から放送予定のようです。

忘年会   ある会員の活動15

今年もあと27時間を切った。

脱稿で今年は終了、と思いきや忘年会があったのである。

せっかく世界中を舞台とするヴェルヌなのだから、普通の料理屋でないところで、と誰かが言いだしたのが発端だった。

六本木のオーストラリア料理の店でやることになった。

そこでカンガルーを食べよう、ということになったのである。

仕事が終わってから(私の勤務先は元日以外は営業している)行くと、始まるところであった。場所がやや分かりづらかったのか、あとから何人か来て、19時過ぎから開始。

問題のカンガルーだが、クロコダイルとダチョウもあった。全部食べてみたが、結果としては、特に癖があるわけではない・どこかで食べたような・普通においしく食べられる肉であった。

もっと野趣あふれる味や珍体験を期待する人には残念なことであるが、シェフがいろいろ工夫しているのかもしれないし、大体東京のど真ん中でイカモノ食いになるわけもないのである。

いろんな人といろんな話をして面白かったが、詳細ははぶく。

ただ、普段はどういう本を読んでいるのか、という質問には何とも答えづらかった。『悪霊』は無事読み終わったが(感想については簡単には言えないのでここには書かない。一読をお勧めする)、その後何の気なしに読み始めたのは『ドクトルまんぼう青春記』であるから、脈絡の説明をしようがない。

まあ、個人的にはグランヴィルの豆本をついに手に入れた(しかもおまけつき)ので満足であった。

22時過ぎまで楽しく飲み食いして、そうして本当に今年の活動は終了したのであった。

さて来年はどんな年になるだろうか。皆様よいお年を。

脱稿  ある会員の活動14

今年もあと2週間足らずとなった。皆様いかがお過ごしだろうか。

私としては、やっとのことで13日に自由投稿の原稿を編集長に送ったところである。
なんでここまで時間がかかったのかと言えば、当初の見通しが甘かったからとしか言いようがない。仕事でも何でもそうだが、最初の見当を見誤るとロクなことがないいい例だ。
人間、若いうちに磨いておくべきはそうした感性ではないか(なんのこっちゃ)。

それでも一応、当初の目標だった15ページ以内という分量の抑制は達成できたと思う。もっとも、最後の方は議論を深められなかったために紙数が伸びなかったと言うべきか。

まあ、出来不出来は実力であるから、投稿までこぎつけられたことをよしとしなければならない。

さてこの時期は、年の終りに典型的な古典の名作を読むことにしている(何でかと言うと、そうとでも決めないと読まないから)。

と言ってもこれは最近の習慣で、一昨年はフォークナーの『アブサロム、アブサロム!』(講談社文芸文庫版)、昨年はフロベール『ボヴァリー夫人』(岩波文庫版)であった。

今年はいろいろあって(というか、自由投稿で少し触れたので)、ドストエフスキー『悪霊』になった。通して読むのは学生のころ以来で、細かい部分はすっかり忘れている。それに、当時のロシア社会の背景など、わからないことが多すぎて、理解できなかった部分も多いのではないかと思う。

年内に読み終わればいい、というペースで読んでいるので、ゆっくり読む。

他に読みたい本はたまっているが、仕事がら年末年始にまとまった休みがあるわけでもないので、欲張らないで今年はこれで終わりにする。

文庫とダブった単行本(『千のプラトー』とか)、新訳が出たもの(『ヴァインランド』とか)など、80冊ほどブックオフに売り飛ばす。たいした金額にもならないが、もう場所がないのだ。

執筆中   ある会員の活動13

はやいものでもう11月の半ばである。

この書き出しももういいか。それでも、いつのまにやら今年もあと一月半なのである。2012年なんて、SFでもあまり出てこない未来の年号なのだが。アトムの焼き直しのジェッターマルスだって2015年が舞台で、このまま行けばあっというまに到達する。

さて、肝心の原稿であるが、10月末が締切であった。結果としては、特集用原稿は投稿し、自由投稿は依然執筆中である。

特集用原稿はもくろみ通り、15ページほどに収めることができた。内容については自己判断不能状態。あとになって、いろいろアラが見えてくるのはいつものこと。最近はそれを気にしてぐずぐず手元で温めるのはやめることにしている。

ただ、今回はわりと早く題材を決めていたので、いろいろ参考書籍を読みあさることができた。邦訳を読み比べるなどということも少しはできたし。自己満足はしていることになろうか。

問題は自由投稿で、執筆中と書いたが執筆中断中といった方が正確である。途中まで書いていたのを、特集用原稿を優先して中断していたのだが、いざ再開しようとしても勢いが止まっていて筆が全く進まなくなった。まあ、ヴェルヌとは全く関係ない本業が忙しかったりもしたのだが、そんな状況でもいつもは頭の中では文章をひねっているのに、今回はまるで働かない。

勢いというのは恐ろしいものだ。さっさと書いてしまった方がよかったか。

どうもここまで来ると、さらから書きなおした方がいいのかもしれない。気を楽にして取り組んだ方が何とかなるものだ。編集長には梗概まで伝えてあるので却って気をもませてしまうが、テーマは変えませんのでもう少々お待ちください。

などと言いつつ、通勤電車でサマセット・モーム『お菓子とビール』を読む。面白いなあ。
ナボコフ『カメラ・オブスクーラ』をパラパラ読んだり、岩波文庫の新訳『アブサロム、アブサロム!』に吸い寄せられたり、以前Jule Verne Pageの掲示板でishibashi氏が指摘していたクロポトキン『ある革命家の思い出』が平凡社ライブラリーで再刊されたので、パガネルに触れた箇所を立ち読みで確認したり、気が散っているのは間違いない。

もうちょっと頑張らねば。

読書会  ある会員の活動12

あっという間に10月になってしまった。今年ももうあと3カ月である。

とてつもない変化が日本でも世界でも起きているのだが、日常が全く変わっていないまま、どんどん日が過ぎていくこの奇妙な感覚は何なのだろうか。

何十年か経った後、「あのころの日本人は何を考えてたんだろうか?」と不審がられるのではなかろうか。答えは、落ち着いて何か考える余裕もないまま日々に流されてしまった、である。

ヴェルヌ研でも大きな変化があった。会誌の編集担当が第6号から変わるとのことである。今まで国内最高水準であろう(私は文フリもコミケも見ていない、SF大会の同人誌販売しか見たことはないが、おそらく外れていないと確信する)誌面のクオリティを一人で支えてきたsyna氏だが、しばらくお休みされるそうだ。今までの輝かしい成果にどれだけの賛辞をささげればいいか分からないし、改めて大きな感謝を申し上げたい。ありがとうございました。そして、面倒くさい原稿ばっかり送って、本当にすみませんでした。

しかし、syna氏は優れた書き手でもあるのである(会誌1号、2号参照)。またいつか、投稿も読みたい。

それから、新しい編集担当の方には今からお詫び申し上げます(!)。

さて、流されゆく日々の中で、読書会から3週間近く経ってしまったが、簡単にご報告しておきたい。9月11日に行われたのである。

以前も書いたとおり、最初に石橋会長の講義が1時間半ほど。成立の経緯、元ネタや、文学ジャンル史上の位置づけ(いわゆるロビンソン変形譚としての)、ヴェルヌ作品系譜上の位置など、大変勉強になった。

それから討論。意外にも、納得いかない派が多く批判的意見が続出。世界的には一番評価が高い作品のはずなのだが。

個人的には、原稿を書いているうちに大分見方が変わってきたので、最近流行りの安全運転的発言になってしまったような気もする。

最後に、映画化作品を鑑賞。一番古いソ連版が一番原作に忠実。スターリン時代なのだが、全く問題なかったようだ。そのこと自体が問題かもしれない。ハリウッド版はレイ・ハリーハウゼンのダイナメーションが、・・浮いていた。フランスTV版は思い切り改作。しかしオマー・シャリフが出ていた。

その後、いつもの飲み屋で一杯やったのであった。読書会後としては過去最大12名(11名?)での飲み会であった。

さて、読書会も終わったし、あとは原稿を書くしかないのだが・・今のところ、あまり進んでいない。はたしてどうなるのか。

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