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現場(現物)検証  ある会員の活動31

昨夜のワールドカップ最終予選、出場を決めたからよかったものの、あれだけチャンスがあったのにPKで1点だけかあ、と思った人も多かったのでは。

ま、それが今の実力と思うしかないんでしょうね。
来年はソチオリンピック、サッカーワールドカップがスポーツの目玉。ソチは何と言ってもフィギュアスケートですが、浅田真央選手も昨季の結果を今の実力と受け止めて練習していることでしょう。

今年は前哨戦として、サッカーのコンフェデレーションカップとフィギュアグランプリシリーズに注目していきたいと思います。

それはそれとして。

前回の投稿ですが、ちょっと表現が悪かったかもしれません。

物の値段には相応の理由があるもので、例えばコウルリッジの『文学的自叙伝』であれば、法政大学出版局の本がめちゃ高いのはいつものこと。部数が少ないからでしょうか。
と言っても、ドゥルーズの『シネマ1・2』やデリダの『散種』が日本語で読めるのだから、「叢書ウニベルシタス」に文句を言ってはバチがあたると言うもの。
(ま、原著出版後10年以上がざらで、翻訳が遅いったら遅いのですが)

問題は『カリカチュアでよむ19世紀末フランス人物事典』です。

まず強調しておきたいのは、この本はヴェルヌ研会員の倉方健作さんの長年の研究成果でもあるので、読みたい本であったということ。
読みたいけど買えないよー、という子供の駄々のような愚痴以上のものではなかったのです。念のため。

確かに手の出にくい価格なのですが、不当に高いと言う意味ではありません。中身も見てないのにそんなこと言えるわけないのですが、そう読まれてしまうおそれもあったな、と後で反省した次第。

要は、現物確認してから言わないと、ということ。

最寄りの書店では見かけず、ヴェルヌ書店(Amazon)でもすぐに在庫が入らなかった(? 今は在庫ありです)ようで、なかなか現物を見る機会がありませんでしたが、先日やっと手に取ることができました。

結論を言いますと、なるほどこのくらい値段はするかも、という本。なにより、値段はともかく是非とも読まれるべき本です。

なにしろ469枚の人物カリカチュア全て多色刷りのため、終わりまで厚めの上質紙。要は半分画集なのだと思えば納得。500ページ超、巻末に年表、カナ索引、欧文索引も充実。

カリカチュアを表紙にした元々の雑誌『今日の人々』は毎号一人の人物を紹介する小冊子だったそうで、ヴェルレーヌやユイスマンスも執筆に携わったと倉方さんの解説にあります。

その元の文章ではなく、この本のカリカチュア469枚の解説は、新たに書き起こしたオリジナル! ! !

最近のはやりでいうなら「じぇじぇじぇ」ですよ。

鹿島茂氏も一部書いてるらしいけど。前書きの鹿島氏の書きようを読むと、大体倉方さんが調べて書いたんじゃなかろうか。(まあ、これも憶測なのであまり言いません)まさに「超人的」(BY鹿島氏)。

うーむ、19世紀末のフランスを調べて行けば、必ずこの本を参照する機会にぶつかるに違いない。貴重な一冊です。

延期と保留   ある会員の活動30

延期、だそうです。

http://www.cinematoday.jp/page/N0053182

最近、『レ・ミゼラブル』、『ベラミ』、『アンナ・カレーニナ』と、映画も19世紀文芸作品にネタを求めているのが目立ちますね。

日本のテレビドラマで『カラマーゾフの兄弟』とかやってたし。でも、何度も映画化されてるものばかりだもんな。いよいよネタ切れか。

今後の出版予定を「本棚の中の骸骨」サイトでチェック。『ルパン、最後の恋』早くも文庫化。未訳短編も併録とのことで、やっぱり買うか・・
しかし、その後創元文庫でもでるらしい。翻訳権フリー?

昨年末にはなんとポプラ社から南洋一郎訳シリーズの続刊として出てたし。訳者がズッコケ三人組の人、ってどういうこと。

『19世紀末フランス人物事典』、12600円。
ごめんなさい、高いです。予算がきついです。ほしいけど、保留してます。

コールリッジ『文学的自叙伝』9450円。
これも高いっす。保留っす。

バルザック『神秘の書』8400円。これもきついっす。

うーん、欲しい本はどれも高い。昨年末と年始に、金森修氏編のフランスエピステモロジー研究が2冊立て続けに出たけど、どちらも6000円以上して、結局手が出なかった。

(それなのに、カント『人倫の形而上学』とか手を出してしまった。ああ・・・)

さて、会誌7号の品評会が6月23日に決定。もう一度読み返しています。

うーん。やっぱり自分の文章が長い。結局何が言いたいのかも一読でははっきりしない。なんとか言い訳を考えていこう。

当日は「ヴェルヌ双六」もやるそうな。誰もサイコロを持ってきてない、とかないようにしてくださいね。我が家にはサイコロはありませんので。

新年会  ある会員の活動28

2013年も本日で11%、1割以上を消化している。こう書くとほんとにいやな言い方だね。

1月20日に新年会があったので参加した。しかし、時間が経ってうろ覚えになってしまった。活動報告者としては情けないがご勘弁を。

場所は池袋と雑司ヶ谷の間あたりにある「rocket cafe」。ヴェルヌにふさわしい店名とは思いませんか。
個人的には近場だったので楽。

確か、7名が参加。某氏は途中までお子さん連れ(お子さんだけ奥さんが迎えにきて一足早く退場)。なぜかハワイ風の料理で、おいしかった。パイナップルのワイン(ただのパイナップルの酒だった)など飲む。

今回はヴェルヌの詩に当時の作曲家が曲をつけたという歌曲のCDを鑑賞するという催しも兼ねていて、店のプレイヤーにかけてもらって皆で聴く。

うーん。普通。逆に普通すぎて、店のBGMとして聴いていてほぼ違和感がない。
イージーリスニングというものがこの頃形成されたということなのか。

他はよもやま話に終始したように覚えているのだが(まあ、当然私も飲んでいたのであやふやである)、途中、学生の頃図書室で文学全集を読んでいた共通体験が発覚。なかでも、講談社の世界文学全集の話で盛り上がる(今こうして書いていると、何なんだろうかw)。

ナボコフ『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』が入っていたり、ゾラ『獣人
』がなぜか『野獣人間』の題名で収録されていたり、ちょっとおかしな全集だった。あとで、『シャーロック・ホームズの冒険』が入っていたような気がして調べてみると、ドイルは入っていなかったがウェルズ『タイム・マシン』は入っていた。変な全集だ。ヴェルヌはなし(このサイトで調べたら、集英社の全集がヴェルヌ・スティーブンスン・ドイルで1巻作っていた。ヴェルヌは『八十日間』で、ウェルズはなかった)。

そんなこんなで楽しい会であった。「rocket cafe」、また行ってみよう。

校正は細かい修正が続き、4校まで行ったが、多分終わった? 、と思う。
昨日読書会の第一稿がアップされていたので、これはこれから。

もしかすると、本業の都合で来月の報告、雑事の投稿はお休みするかも。すると、次の投稿時には2013年を27%程消化していることになるのか(もういいって)。

校正   ある会員の活動27

今日の東京は大雪、というより吹雪になった。外出された方もいらしたと思うが、大丈夫でしょうか。

ところでヴェルヌ関連といえばやはり昨夜放送された世界初のダイオウイカの映像であろう。予告編でも『海底二万里』の、斧をふるうネモの挿絵が使われまくりだった。もはや伝説扱いである。

ご存じのとおり『海底』に出てくるのは poulpe、タコなのだけど。アロナックスが伝説を解説するくだりの挿絵がどう見てもイカなのがいけないのか。
(それとも、フランス語だとイカとタコの区別が日本語と違うのか?)

ま、そんなことどうでもいいか、と思うほどダイオウイカの映像は迫力があった。ライトにギラギラ光ってグロテスク。いいなあ。

その何日か前、深夜のニュース枠で若いコメンテーターが「CGですか? NHKの番宣ですよね? どうでもいいんですけど」と醒めたコメントを発していた。

これをどうでもいい、という若造がいるから番宣打ってでも視聴率あげなきゃいけないのだが・・CGかどうかは番組をちゃんと見れば分かるので。

ちょっと残念なのは、比較対象がとぼしく、大きさが実感できなかった。もちろん人間よりずっと大きかったようだ。

本題が遅くなったが、年始にさっそくゲラがあがって校正。

うう、今回は文章が(特に)ひどい。自分で読み返して悲しい。あわてたり悩んだりして書くとろくなことがない。
wordの横書きで作ったので、半角記号で打ってしまったものが縦書きだとみんな横向きになっている。ご迷惑をおかけしてしまったようだ。

訂正も多く、どうしても追加したい文章も出てきて、お詫びとともにまとめて送る。編集長がチェックをいれて編集担当に戻すとのこと。と思ったら、並行して進めてくださっていた第三者校正でも、文章のおかしい部分が指摘されてきたとのことで、これも大急ぎで訂正案を返信。ふう。

いろいろと反省が多い今回の投稿である。もう何も出てこないといいが。

新年会の案内も来ている。これはまた後日報告します。

脱稿  ある会員の活動26

前回はオバマ大統領の再選の中、会員活動報告をしていたのであったが、1ヵ月半で世の中また大きく変わってしまったらしい。

勘三郎が亡くなるとは思ってもみなかった。北朝鮮のミサイルが成功するとも思っていなかった。松井秀喜が引退するなどとは思ってもみなかった。

自公があれほど議席を獲得するとは思ってもみなかったが、これは同じことの繰り返しになりそうな気がしないでもない。

まあ、そんなこと言ったらマナカナのカナが結婚するとも、『読むことのアレゴリー』が完訳されるとも思っていなかったのだから、言いだせばきりがない。

ところで、去る23日に脱稿し、編集長に送付した。

今回は苦しかった。これほど難渋したのも珍しい。よく考えてみると、どうもテーマが大き過ぎたのではないかと思う。まず、まるで言葉が出てこない。これまではなんだかんだと適当なところから切り口が出てきたのだが、どうもとっつきがない。

ようやく少しずつ書き溜めていったものが、今度はまるでつながりを欠き、散漫もいいところになってしまった。ま、まとまらない・・・!

もう少し絞り込めばよかった、ほんとうに書きたいことほどうまくいかないのをヴェルヌの法則とでも名付けようか、などとぶつくさ言いながら、最後は何とか言葉をつないでいくのが精一杯であった。

惨憺たるものだ。(これは山田風太郎『妖説太閤記』)

で、やっと送った(書き上げた、という表現は、今回実感がない)はいいが、そういうタイミングで好著が出る。ベアント・ブルンナー『月』(白水社)はフィクションと現実の双方で月にまつわるエピソードを紹介していて、ヴェルヌ『月世界旅行』も出てくる。やや不正確なところも見受けられるが、NASAやSFなど、私の原稿に関連のあることがコンパクトに出てきている。

ちくま学芸文庫からは福井直樹『自然科学としての言語学』が出た。生成文法のいわゆる離散無限性という概念が、私の原稿で言いたいことに深く関わっていることに最近気付いたが、ま、もう遅い。組み込むのはあきらめた。

2012年ももう終わる。年が明けたらもう震災から2年近くなる。しかし、来年は『気球に乗って五週間』刊行150周年なのである。今後、ほぼ毎年のように刊行150周年が40年ほど続くことになる。

ちなみに、『グラント船長の子どもたち』刊行150周年(2018年)はちょうど明治維新から150年であり、私事ながら私は50歳である。

さて、年の最後に何を読もうか。と言いつつ、ちくま文庫新訳の『レ・ミゼラブル』第二巻、ワーテルローを読んだところ。

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