ごく小さいころコミックやアニメを見ていたせいで、いまだにムーミンが結構好きだ。
ヤンソンの原作は(と言っても、弟ラルフに引き継いだコミックと並行しているから、コミックの原作というわけでもないそうなのだけれど)、もう少し大きくなってから読んだ。
今、講談社文庫で新装版が出ているのだが、シリーズ第一作『小さなトロールと大きな洪水』が今月出て、読んだことがなかったので本屋でちょっと立ち読みした。
原書は1945年に出てすぐ絶版になったものを、1991年にヤンソンの序文つきで復刊したというもので、1999年に青い鳥文庫に訳されたものの文庫化だという。そんな経緯も初めて知った。
問題はその序文である(冨原真弓訳)。
≪頭をひねったあげく、本のタイトルは、「パパをさがすムーミントロール」――「グラント船長をさがす子供たち」にならって――にしたかったのですが≫
なんだって ! ? ! ?
≪この物語は、わたしが読んで好きだった、子供の本の影響をうけています。たとえばジュール・ヴェルヌやコッローディ(青い髪の少女)などが、≫・・・
なんと、ヤンソンがヴェルヌ好きだったとは・・・
本屋で呆然と立ちつくし、混乱した頭の中では月から飛行おにが飛んできたり、氷の世界でモランがほえたり、雷電を受けたニョロニョロが光りながらうごめいたりしたのであった。
知らなかったなあ。・・・
コッローディはご存じ『ピノキオ』の作者。でも『青い髪の少女』というのは何だろうか。
文庫は購入し、物語は短かったが面白かった。