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新訳『地底旅行』

『地底旅行』光文社古典新訳文庫版(高野優訳)出ました。

前回の『八十日間』よりはましかなあ、と思いつつレジへ。税込1,379円(・・・)。

家に帰って岩波文庫とリーブル・ド・ポッシュ版を並べて最初の1ページ読んでみましたが、やっぱり相当意訳なのではないですか。

最初のprecipitamment(符号がつきませんが)を「竜巻のような勢い」というのはどうか。若干、気象現象的な意味合いもあるらしいが、リトレを見てもやっぱり、「大急ぎ」以上の意味しかないように思います。マルテの台詞もかなり違う。

ま、誤訳とは言いませんが(分類は嫌味)。自分が仏語できるわけでもないし。翻訳劇で、役者が思い切り台詞をいじってるようなものか、と最大限に好意的解釈をしておきます。しかし、まだ最初の1ページだし。

読書会目前で、今はこれ以上かかずりあってる暇はなし。終わったらもう少しチェックします。

ま、翻訳はともかく。「究極のSF」などと言ってる解説はいらん。SFの知識ゼロで書いてるのが丸わかり。『ジュール・ヴェルヌの世紀』も読んでいない。ヴェルヌが『種の起源』を読んでたはず、という根拠は何処に? あとがきはさらにひどい。リーデンブロックとハンスがドン・キホーテとサンチョ・パンサ? はあ? ドン・キホーテの言うことに黙々としたがうサンチョって何? 炭酸の抜けたコーラ? 
このへん、ざっくりけずって税込1,280円くらいにならんかったものか。
(ああ、また毒を吐いてしまった・・)