記事一覧

またまたテレビ番組から…

 毎週楽しんで観ている「奇跡体験アンビリーバブル」。
本日のメインは「200年前に南太平洋の島で起きた殺戮!!」の話だった。バウンティ号の反乱と聞いて、どこかで聞いたことがあるな~と思っていた。

 有名なところでは同タイトルの映画があるらしいことは知っていた。さらに気にかかり、記憶の奥からジュール・ヴェルヌが出てきた。確か、彼の作品リストにあったような…。ヴェルヌともう一人名前は思い出せないが、二人で書いた本。
 かつてNTT出版から出ていた「ラ・ペルーズの冒険」のようなノンフィクションなのか、それとも小説なのか詳しく分からないけれど、一七〇〇年後半の事件。ヴェルヌなら関心を持ちそうな実話に興味津々でした。

 最後まで生き残った男が罪の意識から島を楽園にしようとしたことから、イギリスから恩赦を受ける。なんとなく「神秘の島」に出てくるエアトンぽい。
もしかしたら、彼がモデルなのかと思ったぐらいでした。

 synaさん、あるいはishibashiさん、この番組をご覧になられましたか?もしもご覧になられていたら、どんな感想をお持ちになられましたのか、ぜひともお聞きしたいです。

「バウンティ号の反乱」に知的好奇心を掻き立てられて、映画も見てみたい。また、ヴェルヌ作品でも読んでみたい。翻訳されたらいいな~と熱い思いを抱いています。

トラックバック一覧

コメント一覧

ishibashi 2011年09月02日(金)15時49分 編集・削除

この事件は小説より奇なりを地で行っているのでいろいろな人が書いているんですよね。で、ヴェルヌの「バウンティ号」はこれはヴェルヌの名前で出ているだけでほぼヴェルヌはなにも書いていません。ガブリエル・マルセルという国立図書館の司書をしていた人が書いたもので、この人は作家じゃありませんから、この事件について書かれた文章をつぎはぎして書いているだけでしょうし、それほどオリジナリティもないはずです。そして、おっしゃるように、「ラ・ペルーズの冒険」と同じ感じだと思っていただいていいと思います。「ラ・ペルーズの冒険」は『大旅行と大旅行家の一般史』という分厚い三巻本の一章を独立させたものですが、これもガブリエル・マルセルが書いたもので、ヴェルヌは文字面を修正しただけです。これらの本ははっきりいって今となってはヴェルヌ研究者以外の一般読者が読む価値はほとんどありません。ですから、抜粋以外の形で翻訳されることはほぼないでしょうね。「バウンティ号」の場合も、ヴェルヌの小説が単行本にするには短すぎるので、急きょ穴埋めにヴェルヌ名義にして入れただけ、というのが実情です。ちなみに、『大旅行と大旅行家の一般史』は、『世界大探検物語』というタイトルで部分訳が昭和28年に出ています。日本の古本屋に4500円で出ていますね。なかなか微妙な値段。訳者が佐々木基一なのが個人的に気になりますが、この人のフランス関係の翻訳はすべて共訳者が永井郁となっているので、この永井さんがフランス語が読める人で佐々木はその下訳に手を入れたのかなと思ってしまいますが、この点は藤元さんがお詳しいでしょうから、ご覧になっていてご存知でしたら補足をお願いします。