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手製本の勉強中です

kurouchiです。来年春に会誌第五号が発行予定なのは皆さんご存じと思いますが、実は私、ルリユール(西洋式製本工芸)の勉強をしている関係でその会誌五号の特装版を作って欲しいと頼まれてます。

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ただまあそれはちょっと先の話なので、とりあえず現在は練習も兼ねてこんな本を製本中。なんと今回素晴らしいことに、手製本できれいな丸背の上製本にするために最適な「未綴じ本」の状態からのスタートです。

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……といっても素人が大きな紙を扱うのは色々と難しいので、本物の未綴じ本のように一折(16ページ分)を一枚の全紙に印刷しているわけではありません。一折を四つに切り分けた状態を想定してページを並び替えたデータを作成していただき、B4版の紙に印刷し、四枚づつ組にして二つ折りにしたものを一折としました。

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しかしながら、普通に人間の力で折っただけではこのように紙の折り目がどうしてもふっくらしてしまいます。どんなに強くしごいても駄目。このままでは作業できないので数日間プレス機にかけてぺったんこにしなければなりません。この作業をフランス語でサティナージュというそうです。

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長時間プレスしたままほっておかなければならないので、この日の作業はこれ以上進めなくなってしまいました。こういうのが手製本のつらいところです。ただちゃんとそのへんのフォローも考えてあって、余った授業時間はへら削りをすることにしました。製本用の牛骨のへらは買ってきたそのまんまでは使うことができないので、やすりで削って、自分の使用目的に合った形に整えていく必要があります。しかしなんだか半分以上先生が削って下さったような気が……。すっかり机の上が粉っぽくなってしまいました。削り終わったへらはリンシードオイルに浸けて一週間ぐらい放置。そうすると固くて汚れにくくなるそうです。《つづく》

コメント一覧

shiina URL 2010年12月23日(木)00時01分 編集・削除

おお、ちゃんと折になっていますね。ちなみに〈続きを読む〉もできます(リンク参照)。

kurouchi 2010年12月23日(木)02時38分 編集・削除

手製本用にわざわざ面付けしなおして下さってありがとうございます。背丁も役にたってます。この話題で連載記事にするとして、製本工程の紹介だけだとヴェルヌファンに興味を持ってもらえる内容にするのが難しいかもしれません。訳者の許可を取って本の内容についてもちょこちょこと触れていければ……。

ishibashi 2010年12月23日(木)17時23分 編集・削除

途中経過ご報告ありがとうございます。出来上がりを楽しみにしております。