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新雑誌

Jules Verne et Cieという雑誌がフランスで新しく創刊されました。ヴェルヌ研究家として知られるダニエル・コンペール氏が中心となって最近できたClub Jules Verne(大衆小説友の会の構成団体、http://www.fictionbis.com/clubverne/gestion/index.php)の機関誌です。特集はアジア。ヴェルヌおよび同時代の大衆小説家によるアジア像を取り上げています。僕も文字通りの拙文を寄せています。実はこの特集は本来はアミアンのヴェルヌ国際センターの雑誌Revue Jules Verneに載るはずだったのですが、同センターの内紛を受けてこういう形での刊行になりました。

早稲田文学4号に石川義正氏による「中原昌也の「熱気球」」という文章が掲載されており、ヴェルヌ『気球に乗って五週間』と「空中の悲劇」にも論及されています。僕はこの両作については十九世紀のほかの作家たちによる気球小説の比較する論文を書いたことがあるので、正直言及していただきたかったところですが、実は、個人的に早稲田文学の3号では奥泉光論で、2号ではビュトール論でヴェルヌについて論じさせていただいているので、この雑誌では三号続けてヴェルヌが登場していることになります。だからどうだということもありませんが、文芸誌でヴェルヌの名前を見ること自体が珍しいので、これはこれでちょっとした出来事かもしれません。

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