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小ネタ 2

藤原書店『ジョルジュ・サンドセレクション』別巻1「書簡集」が出てます。
生涯で2万通に及ぶ書簡から精選とのこと。
ざっと見たところ、エッツェル宛が2通、ヴェルヌ宛が1通収録されているようです。
ヴェルヌ宛はかの有名な、地底・月のあとは海底旅行を楽しみにしていますという手紙なのですが、詳しい解説はなく、残念。ヴェルヌトリヴィアなんてジョルジュ・サンドの読者には不要なのか。
(訂正あり。コメント参照)

ところで、「生涯に2万通」ということを驚くべきこととして取り上げているように読めたのですが、まあ確かに筆まめだったとしても、他にメディアもなかったし、驚くほどでもないのでは? と正直思いました。
私だって、仕事で日に5・6通は当たり前にメール打ちますし。年間勤務200日で1,000通は超えますよ。これでも少ない方だと思ってますが、20年もすりゃ2万は達成。

ツイッターやLINEは字数が少ないから別として、例えば中川翔子は日にブログを10回は更新してるし。開始3年半で2万回更新してるらしい。

まあさすがに一緒にしちゃいかんか。ショパンへのラブレターなんて、おおかたのしょこたんぶろぐと同じくらい※他人にとっては意味ないとも言えるけど、中川翔子は150年後に地球の反対側で翻訳されはしないだろうね。
(ここも訂正あり)

※おおかたの、です。ブログの内容にはいじめについてなどのまじめなメッセージもあります。

コメント一覧

ishibashi 2013年08月19日(月)20時02分 編集・削除

そう、あの頃の大作家はみんな手紙魔ですからね。フロベールなんて、執筆後の夜明けとかそんな時間にひたすら手紙を書く時間を設けていたんじゃなかったでしたか。フランスのわが師匠は、小説の時間と手紙の時間が完全に釣り合っている、みたいな分析をしています。バルザックの書簡集も大変な分量です。サンドの手紙が驚くべきなのは一通一通が下手すると細かい活字をぎっしり詰めて数ページ分になる長さとその中身のこまやかさ、そして文章の素晴らしさ、ですよね。これはもちろん相手によるので二万通全部がそういうわけじゃないに決まっていますが、そのまま文学作品になっている。と僕が判断したのは彼女のエッツェル宛を読んだ限りなので、収録が二通だけというのはちょっと残念な気がするくらいです。まあ有名人が優先されるでしょうからね。それに比べて、ヴェルヌの手紙のそっけなさはそれこそメール的なんですが、サンドのヴェルヌ宛書簡は以前どこかに書きましたが、現物が残っていなくて、見せてもらったジャーナリストの紹介によるので、正確である保証はないわけです。それを収録してしまっていいのか、という気はちょっとしますね。

sansin 2013年08月22日(木)21時25分 編集・削除

やはりざっと見て小ネタなんぞにしてはいけませんね。
別巻1ではなく、第9巻の間違いでした。
エッツェル宛は2通どころか6通(巻末の索引を見ればすむこと)。
ショパン宛のラブレターは、ショパンの死後サンドが回収して焼き捨ててしまい、収録されているのは1通のみ。いやはや。

お詫びして訂正します。

ヴェルヌ宛の書簡については最初見たとおりで、また聞きかどうかは書いてませんでした。

松浦寿輝の最終講義はなぜか店頭在庫切れ。代わりに、金井美恵子のエッセイコレクションを買ってしまった。やれやれ・・