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新訳『地底旅行』

『地底旅行』光文社古典新訳文庫版(高野優訳)出ました。

前回の『八十日間』よりはましかなあ、と思いつつレジへ。税込1,379円(・・・)。

家に帰って岩波文庫とリーブル・ド・ポッシュ版を並べて最初の1ページ読んでみましたが、やっぱり相当意訳なのではないですか。

最初のprecipitamment(符号がつきませんが)を「竜巻のような勢い」というのはどうか。若干、気象現象的な意味合いもあるらしいが、リトレを見てもやっぱり、「大急ぎ」以上の意味しかないように思います。マルテの台詞もかなり違う。

ま、誤訳とは言いませんが(分類は嫌味)。自分が仏語できるわけでもないし。翻訳劇で、役者が思い切り台詞をいじってるようなものか、と最大限に好意的解釈をしておきます。しかし、まだ最初の1ページだし。

読書会目前で、今はこれ以上かかずりあってる暇はなし。終わったらもう少しチェックします。

ま、翻訳はともかく。「究極のSF」などと言ってる解説はいらん。SFの知識ゼロで書いてるのが丸わかり。『ジュール・ヴェルヌの世紀』も読んでいない。ヴェルヌが『種の起源』を読んでたはず、という根拠は何処に? あとがきはさらにひどい。リーデンブロックとハンスがドン・キホーテとサンチョ・パンサ? はあ? ドン・キホーテの言うことに黙々としたがうサンチョって何? 炭酸の抜けたコーラ? 
このへん、ざっくりけずって税込1,280円くらいにならんかったものか。
(ああ、また毒を吐いてしまった・・)

コメント一覧

ishibashi 2013年09月19日(木)20時42分 編集・削除

僕も買いましたが、ぱっと見、前回より訳も解説も控え目かなとだけ思ってチェックしていません。ダーウィンの進化論についてヴェルヌがどう思っていたかについてはそれなりに議論が積み重ねられていて、これはもちろんヴェルヌ本人の意見と作品から読み取れる意見を分けなければならないんですが、大勢は否定的で、『種の起源』も読んでいたとは思えないですね。もちろん、「はずだ」と言ってしまえばなんでもそうで、否定は不可能なんですが。しかし、巨人が出てくる時点で進化論もへったくれもない気がしますがねえ……。しかし、付録の年表は、作成したのは編集の人でしょうが、『ヴェルヌの世紀』か『水声通信』を参考にしているっぽいですね。『恐育娯楽雑誌』『家庭博物館』の表記を見る限り。

ああそうそう、リトレってまだネットで見られます? ダウンロードしてお手元にあるならコピーをいただきたいのですが……(ってここに書くことではないですね)

sansin 2013年09月21日(土)22時27分 編集・削除

うう、そう言われるととたんに自信がなくなりますが、いつも見てるのはこれです。

http://www.littre.org/

ダウンロードはやりかたがわかりません。

ishibashi 2013年09月23日(月)01時24分 編集・削除

ああ有難い。前のサイトがなくなっちゃったんですよね。そこではダウンロードすれば、辞書の無料ソフトで閲覧可能で、ネットにつなぐ必要もなく、便利だったんですが、PCが壊れた時(僕は必ず最後は壊してしまう)、なくしてしまいました。この新しいサイトだとそれはできないようですね。

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