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賀正

遅くなりましたが、今年もジュール・ヴェルヌ研究会をよろしくお願いいたします。

さて、2012年初投稿にふさわしいおめでたい話題がフランスから届きました。プレイヤード版ヴェルヌの詳細(まだ編者は不明ながら)が判明。この五月に二巻本で、『グラント』『海底』『神秘』の三部作と『氷のスフィンクス』を収録するそうです。エッツェル版の挿絵ももちろん収録。以下の「エクスプレス」の短い記事をご参照ください。

Jules Verne fera son entrée dans la bibliothèque de la Pléiade en mai prochain sous la forme d'un coffret de deux volumes regroupant Vingt Mille Lieues sous les mers, L'Ile mystérieuse, Les Enfants du capitaine Grant et Le Sphinx des glaces, agrémentés de plus de 500 illustrations des fameuses éditions Hetzel. Nul doute que cette parution relancera l'éternel débat : Jules Verne était-il un grand écrivain ?

http://www.lexpress.fr/culture/livre/le-tour-de-verne-en-deux-pleiade_1069988.html

この記事の締めの文句は、「この出版によって永遠の議論にふたたび火がつくことだろう――ジュール・ヴェルヌははたして大作家だったのか?」。まあなんというか、こういう問いがこれほど繰り返されるのはヴェルヌくらいなので、これがヴェルヌのステータスということでいいんじゃないかと思うんですが。というか、別に大作家だろうがなかろうがどうでもいいというのが本音ではあります。個人的には今度こそちゃんと本文校訂してくれるんだろうな、ということだけが気になりますけど、期待薄でしょうねえ。

それから、ガリカで『八十日間世界一周』の最終稿が閲覧できるようになったようです。まだ確認していませんが、こちらの方が個人的には大ニュース。早く『海底』の草稿も公開してほしい。校訂版はそれからです。

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sansin 2012年01月14日(土)22時18分 編集・削除

今年初の投稿ですので、あらためてよろしくお願いいたします。

しかし、「大作家」というのはガリマール社にしてみると何なのでしょうね。

3部作とポーがらみの『氷のスフィンクス』を選んだところを見ると、大文字の「文学」にこだわっているようで、かえってあざとい感じがしますね。

単に代表作ということなら『八十日間』や『ミシェル・ストロゴフ』も選ばれてよかったのでは。『グラント』は好きですが、ニュージーランドから文句が来そうな気がします(笑)

ishibashi 2012年01月15日(日)02時03分 編集・削除

そうなんですよね……。僕も選択には引っかかりました。フォリオ・クラシックに『ハテラス』『海底』『神秘』『八十日』が入ったのは明らかに布石だったと思うんですよ。プレイヤード版ヴェルヌとなれば確実に売れるのは間違いないわけで、ただ商売といわれたくはないから、段階を踏んだわけです。となると、憶測になりますが、編者はジャック・ノワレの可能性が高い。ほかのヴェルヌ研究者じゃ肩書きに不足がありますから。しかし、そうなると校訂には期待ができない。この人は、挿絵版が最終ヴァージョンだと疑っていませんので。確かに『ストロゴフ』あたりは入ってほしかったですね。日本でも岩波文庫が次にヴェルヌを出すならこの作品にしてほしいです。

ishibashi 2012年02月05日(日)22時26分 編集・削除

こっそりとガリカのリンクを。

http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b530031425

この調子でエッツェル文庫の資料もどんどんデジタル化してくれないかなあ。

ishibashi 2012年02月06日(月)19時51分 編集・削除

ガリカの草稿、画像の鮮明さが素晴らしい……ナントとは比べ物にならない気がします。『海底』の草稿を一刻も早く!

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